ここでは1ポジション3フレット運指法を用いて2オクターブスケールを弾く場合の運指の考え方について説明します。
<スケール練習の重要性>
エレキベースの練習はスケールに始まり、スケールが続く、、
ベースラインもベースソロも基本的にはスケール上の音を使って組み立てます。コードトーンだけを使ってアルぺジオのように弾いたり、ルートと5度を繰り返して弾いたり、ルートだけを連続して弾いたりする場合もありますが、これらもスケールの上の音になります。フレーズはスケールをいくつかの連続する音階に断片化し再び繋ぎ合わせることで構成されています。
どんな楽曲のベースラインも何かしらのスケールに沿って構成されているので、あらかじめ対応するスケールの練習を積んでおくことで新曲の習熟スピードがUPします。
また、スケール練習はフレット上の音階の位置を覚えるのにも非常に有効です。運指と音階の位置を整理して覚えておけばベースラインに即興でフレーズを入れたり、ソロを弾いたりする時に運指がスムーズにできるようになります。
楽曲の練習とは別に日々のスケール練習を行い基礎力を向上させることはエレキベースを自分の思い通りに弾けるようにするための必須事項です。スケール練習ではスケールのイメージ(右脳)と運指のイメージ(左脳)を関連づけて同時に身につけることが大事になります。
エレキベースの練習はスケールに始まり、スケールが続き、、永遠に続く!
2オクターブスケールの運指戦略
2オクターブのスケールを弾く場合の運指について考えてみましょう!
問い どの位置から始めてどのオクターブ位置を経由してどの2オクターブ位置へ行くか?
エレキベースは同じ音階が複数の位置に配置されています。そのため2オクターブ上にいく経路が複数存在しその運指経路も一見複雑に見えますが、1ポジション3フレット運指法をつかうと意外と簡単に整理できます。
それでは2オクターブの運指を1オクターブづつに分解しながら整理していきましょう!
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2オクターブ上に至る経路は一般的な4弦ベースでは最大5通りあります。開始音(R0位置)によってフレットや弦が不足して実現できない経路もあります。
(1) R0 -> R1 a -> R2 d の経路
(2) R0 -> R1 b -> R2 d の経路
(3) R0 -> R1 b -> R2 e の経路
(4) R0 -> R1 a -> R2 e の経路
(5) R0 -> R1 c -> R2 e の経路
ギターは6弦なので2オクターブ以上の音域を1つのポジションでカバーすることができますが、4弦のエレキベースでは2オクターブの音域をカバーするためには4弦フルに使った場合でもポジション移動が必要になります。
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エレキベースの運指ではポジション移動を素早くおこなう技術が重要ですね!
STEP1 最初のオクターブ上をどの位置にするか?
1オクターブの運指を考える場合、まず、どのオクターブ位置を到達点とするか決めます。1オクターブ上の位置は次の3種類があります。
(A) 2弦上の2フレット上 ( R0 -> R1 a 、 R1 b -> R2 d 、 R1 c -> R2 e )
(B) 1弦上の7フレット上 ( R0 -> R1 b 、 R1 a -> R2 d 、R1 b -> R2 e )
(C) 同一弦の12フレット上 ( R0 -> R1 、R1 a -> R2 e )
STEP2 最初の音 (R0) はどの指で押さえるか?
最初の音(R0)をどの指で押さえるかによって前述の(A)(B)(C)に到達する1オクターブスケールの運指にはそれぞれ2種類のパターンがあります。イオニアンスケールの運指を例に具体的に見ていきましょう。
(A1) 人差し指1で最初の音を押さえて2弦上の2フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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※図中の数字は指番号を示します。1は人差し指、2は中指、3/4はハイポジションでは薬指またローポジションでは小指。実線は同一ポジション、点線はポジション移動を示します。
長3度(m3)-完全4度(P4) は N弦 の n+8,n+9フレット のポジションを使うこともできます。また、完全5度(P5)-長6度(13) は N-2弦 の n+1,n+3フレット のポジションを使うこともできます。
(A2) 中指2で最初の音を押さえて2弦上の2フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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長2度(9)-長3度(m3) は N弦の n+6,n+8フレット のポジションを使うこともできます。また、長6度(13)-長7度(M7) は N-1弦の n+8,n+10フレット のポジションを使うこともできます。
(B1) 人差し指1で最初の音を押さえて1弦上の7フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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長3度(m3)-完全4度(P4) は N-1弦の n+2,n+3フレット のポジションを使うこともできます。また、完全5度(P5)-長6度(13) は N弦の n+10,n+12フレット のポジションを使うこともできます。
(B2) 中指2で最初の音を押さえて1弦上の7フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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完全4度(P4)-完全5度(P5) は N-1弦の n+3,n+5フレット のポジションを使うこともできます。また、長6度(13)-長7度(M7) は N弦の n+12,n+14フレット のポジションを使うこともできます。
(C1) 人差し指1で最初の音を押さえて同一弦の12フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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(C1) 中指2で最初の音を押さえて同一弦の12フレット上のオクターブ位置を目指す運指例
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STEP3 オクターブの運指パターンを2つ繋いで2オクターブ運指パターンが完成!
STEP2の(A1)〜(C2)の1オクターブの運指パターンはいずれも開始する音(R0)を押さえる指と1オクターブ上の音(R1)を押さえる指が異なります。よって2オクターブの運指パターンは開始音を押さえる指が異なる2つ1オクターブパターンを繋ぎ合わせる必要があります。具体的にイオニアンスケールの2オクターブ運指の例を見てみましょう!
1. 運指例 (A1)+(B2) 経路(1)
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2. 運指例 (A2)+(B1) 経路(1)
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3. 運指例 (B1)+(A2) 経路(2)
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4. 運指例 (B2)+(A1) 経路(2)
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5. 運指例 (B1)+(B2) 経路(3)
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6. 運指例 (B2)+(B1) 経路(3)
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7. 運指例 (A1)+(C2) 経路(4)
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8. 運指例 (A2)+(C1) 経路(4)
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9. 運指例 (C1)+(A2) 経路(5)
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10. 運指例 (C2)+(A1) 経路(5)
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まとめ
1ポジション3フレット運指法では全ての運指パターンは隣接する2音を同一ポジションで弾くか、ポジション移動して弾くかによって2系列の運指パターンに整理できます。
この2系統を運指パターンを覚えておけばスケール上の音を使ったフレーズに全て対応することできます。
Cイオニアンスケールでは下のポジションマップのHigh position (A)とHigh position (B) の2系統を覚えておけばCイオニアンスケールに基づく全てのフレーズの運指をカバーできます。
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結局、この3つの運指パターンをスケール毎に覚えておけば良いということですね!
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最後まで読んでいただきありごうございます。
お疲れ様でした!
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