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【エレキベース運指法の探究】(1)手のサイズを測るだけで自分に最適な運指法がわかる。なかなか上達しないのは練習量が足りないだけでしょうか?手のサイズを測るだけで無理な運指法を使っていないかチェックできます。

解説
この記事は約5分で読めます。

エレキベースの運指法は1フレットに一つの指を割り当てる1ポジション4フレット(4フレット4指法)と古典的コントラバス運指表を元にした1ポジション3フレット(例えばEBL運指法)の運指法に大別できます。エレキベースは低音を担当する弦楽器なのでスケール長(弦長)が長く、特にローポジションのフレット間隔はギターよりかなり広くなっています。手が小さい人は運指に苦労します。それでは自分の手が大きか小さいかはどう判断したらいいのでしょうか。手のサイズを測って数値化することで自分にあった運指法を見つけることができます。

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第1ポジション幅は4フレット4指法では130mm、EBL運指法では89mm

エレキベースのフレットは低音側にいくほど広くなっています。どの運指法でも第1ポジション(人差し指が1フレットにくるポジション)がもっとも幅が広くなります。このポジションを自分の手のサイズで押さえられるかどうかというのが運指法の適用可否判断の基準になります。

スケール長(弦長)によってフレットの幅が異なるので使用するエレキベースのスケール長も考慮する必要があります。ロングスケールの場合、4フレット4指法(4F4F法)の第1ポジションの幅は130mm、EBL運指法(1ポジション3フレット)では89mmになります。また、ミディアムスケールの場合、4F4F法で122mm、EBL運指法で84mmです。ショートスケールでは114mm(4F4F法)、78mm(EBL運指法)となります。

第1ポジション幅+約2cmよりも手のサイズが大きければOK

どの運指法が自分にあっているかを調べるためには手の大きさと第1ポジションの幅を比較する必要があります。ネックを握った状態で測るのは難しいので手のひらを広げた状態で手のサイズを測ります。この値と第1ポジション幅に約2cmを足した値と比較することで判断します。例えば、第1ポジション幅が13cmの場合は手のひらを広げた状態で15cm以上あればネックを握って正しいフォームでポジションを押さえられると判断します。

この判定方法では手のひらを閉じてネックを実際に握ると指の間隔が約2cm縮まると仮定しています。これには個人差がありますのでグレーゾーンもあります。ここで重要なのは手のひらを広げた状態で測った値が実際の第1ポジション幅の値より小さければいくらトレーニングを積んでも絶対にその運指法を完全な形で適用することができないという事実です。例えば、手のサイズが13cmより小さい人は完全な形の4フィンガー4指法はできないということです。無理せず他の運指方法を選択しましょう。

グレーゾーンに該当する人は実際の楽器でよく感触を確かめてから運指法を決めるようにしてください。少しでも手が辛いと思ったらより楽な方法に切り替えることをお勧めします。

また、ハイポジションだけ4フレット4指法を使うミックススタイルの運指法も可能ですが、4フィンガー4指法とEBL運指法のような1ポジション3フレットの運指法ではポリシーが異なるのでお勧めできません。ローポジションで4フレット4指法が適用できない場合は先にEBL運指法などの1ポジション3フレット運指法を身につけた後にハイポジションで4F4F法を取り入れることをお勧めします。

(編集後記)日本人の手の幅の平均値は8.33cm

エレキベースの教則本やレッスンで1ポジション3フレットの運指法をあまり見かけたことがありません。どちらかというと4フィンガー4指法を推奨しているプロの方や先生が多いように感じます。しかし、今回の記事作成にあたってエレキベースの大きさと手の大きさを数値で比べみましたが、平均的な日本人の手の大きさで第1ポジションを4フィンガー4指法で余裕をもって押さえられる人がどの位いるのだろうかと疑問になりました。

そこで少し調べてみると日本人の手のサイズのデータ(河内まき子、2012:AIST日本人の手の寸法データ。https://www.airc.aist.go.jp/dhrt/hand/index.html)を発見することができました。今回の運指法判定で用いる手をひらいた時の人差し指と小指の距離のデータは含まれていませんでしたが、これによると日本人の平均は8.33cm(図のB3の寸法)だそうです。

そこで自分の手を測ってみたらこの平均値ぴったりでした。自分の場合、手のひらをおもいきり開いた人差し指と小指の距離は12cmから13cmの間ぐらいです。これが日本人の平均だとすると、やはり日本で4フィンガー4指法が完全にできる人はあまり多くないように思いました。久々に4フィンガー4指法を試してみましたが、やはり第1ポジションでは4フレットの小指がギリギリ足りなくて音がビビってしまいます。判定方法のギリのところで自分では4フィンガー4指法は適用不可という結果なので納得です。

数年前にEBL運指法を考案するまで40年近く4フィンガー4指法で練習をしていましたが、結局完全にマスターすることはできませんでした。今回の探究でもこれが数値的にも裏付けがとれたことになりました。

欧米の方の手の大きさについてはデータが見つかりませんでしたが平均身長で日本よりも8.8cmの高いことがわかりました。欧米の方は体が大きので全体的に4フィンガー4指法に要求される手のサイズ(15cm以上)の方が多いのではないかと推測しています。そうゆうことで日本でも4フィンガー4指法がほぼ標準的に扱われるようになったのではないかと思っています。

今回の探究を通して2つの運指法の間にはポリーシー(考えかた自体)の違いもあることが見えてきました。こちらについては別の機会に記事にできればと思っております。

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