音楽理論で学ぶ既成概念を壊して、五度圏の指板の位置を覚えましょう。「習うより慣れろ」
音楽理論では五度圏という名称が示すように円周上に12の音階を完全5度で並べた図を使って説明されています。これは概念を図示しただけなので、実際の楽器の奏法で活用するためにはさらに具体化して身につけておく必要があります。
サークル(円形)よりもサイクル(循環)が重要
実際に五度圏をエレキベースの指板上に示すと円形(CIRCLE)ではなく下図のようにジグザグに移動しながらループして循環(CYCLE)する軌跡になります。楽曲進行の中で五度圏は左回り(完全5度下降または完全4度上昇)として頻繁に現れます。緊張からの緩和へ、安心感を感じさせるドミナントモーション、ツーファイブなどの進行がよく知られています。
エレキベースの運指における五度循環の左回りパターンは以下の5通りになります。
- 隣接する低音側の弦の2フレット下への移動(C->F,Db->Gb,B->E)
- 隣接する高音側の弦の同じフレットへの移動(F->Bb->Eb,Ab->Db,Gb->B,E->A->D)
- 低音側2本目の弦の3フレット上への移動(Eb->Ab,D->G)
- 同一弦の5フレット上への移動
- 同一弦の7フレット下への移動
1と2が最も基本のパターンですが、ポジションの制約などにより3のパターンを使ってループするように循環します。4、5のパターンの頻度は多くありません。
五度圏の循環に沿って、五線譜の調と指板の位置をリンクして覚えよう
五度圏と五線譜は密接な関係にあります。五線譜の調号にフラットが一つ増えると五度圏の左隣り(反時計回り)に移動します。また、シャープが一つ増える事に右隣り(時計回り)に移動します。
五線譜は音楽を可視化するためによく考えられたとても優れた手法です。楽譜が苦手だが読めるようになりたい人は、五度圏と調号、そして主音の指板上の位置をセットで覚えることをお勧めします。
(おまけ)プラクティス・ファースト「練習をしてから理論を理解する」
音楽の理論書には膨大な記述があり、隅から隅まで目を通すだけでも非常に時間がかかります。エレキベース演奏に重要な部分を抽出するのに多大な労力が必要になります。また、言葉だけ覚えても実際の演奏力が伴わなければ活用できません。
エレキベースの演奏においては、音楽理論の中でも特にコードスケール理論が重要になります。コードスケール理論を演奏で活用するためには、まずスケールを弾けるようにする必要があります。エレキベースの指板上のすべての領域において全12キーの主要192スケールを滑らかに弾けるようになれば、音楽理論も深く理解できるようなります。
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